一般社団法人 全国パーキンソン病友の会
愛知県支部
(愛知県パーキンソン病友の会)

質問コーナー

質問: 父親がパーキンソン病と診断されたのですが、何もわからず、勉強しなくてはと思うのですが、どんな本が良いでしょうか。
回答: 病状や薬について調べるのはパソコンで検索するのが簡単ですが、パソコンが苦手な方もおられることでしょう。 そこで、本、となりますが、本も沢山出ていて悩みます。沢山の本の中から今回は1冊ご紹介します。専門家でない患者・家族が読める本です。 何度も気になるページを開いて確かめるのが良いと思います。
みんなで学ぶパーキンソン病―患者さんとともに歩む診療をめざしてー
柏原健一・武田 篤・前田哲也 著
南江堂 2013年 2,800円
  • 第1章 まずパーキンソン病のことを知ろう
    どういう病気か/どのように診断するのか/間違えやすい他の病気とのみわけ方
  • 第2章 パーキンソン病の症状と対処法
    運動症状/精神症状・認知機能障害/自立神経症状/その他の非運動症状/合併身体疾患
  • 第3章 パーキンソン病の治療
    運動症状の治療の基本的流れ/薬物治療/外科的治療/非運動症状の治療
  • 第4章 パーキンソン病のリハビリテーション
  • 第5章 病状が進んだ時に気をつけること
    認知症はいつ、どのように発症するか/転倒しないようにするにはどうしたらよいか/急に動けなくなったらどうしたらよいか/夜眠れない、昼間寝すぎになったら/誤嚥の対処法と肺炎予防/褥瘡を防ぐための工夫と対処法/栄養管理と胃ろうのタイミング
  • 第6章 患者をサポートする環境づくり
    家族の協力、介護の工夫/住環境の整備/かかりつけ医と専門医(病診連携)の役割/パーキンソン病と医療福祉制度/専門施設の種類と選び方
  • 第7章 これからのパーキンソン病診療   診断法の進歩/治療法の進歩
    患者さんによく聞かれるQ&A
    急に動けなくなることがあります。どうしたらよいですか?/腰が曲がって困ります。よい対処法はないですか?/積極的に運動すべきでしょうか?/便秘と頻尿の対処法を教えてください/よだれのために外出できません。どうしたらよいですか?/毎日症状が違うのはどうしてですか?季節によっても変わりますか?/・・・などなど27の質問のQ&Aがあります。

図書紹介(2)

順天堂大学が教えるパーキンソン病の自宅療法
  服部 信孝 著
    主婦の友社 2014 (1300円+税)
  • 第1章 パーキンソン病になっても、寿命まで元気に生活できる!
    服部信孝教授:「パーキンソン病は難病?」「寝たきりになるのでは?」いいえ、そんなことはありません。なぜなら、パーキンソン病は適切な治療を行うことで、寿命をまっとうできる病気だからです。気落ちしたり、希望を失うことはありません。その理由を説明しましょう。
  • 第2章 パーキンソン病とはどんな病気なのか?
    服部信孝教授:パーキンソン病は、何が原因で起こるのでしょうか。また、病気になると、どんな症状が起こってくるのでしょうか。パーキンソン病の典型的な症状の他、それ以外に起こってくる症状、遺伝の可能性や認知症になる可能性についても解説します。
  • 第3章 新薬が続々登場!薬の使い方、効果についてくわしく知る。
    波田野琢准教授:話題となったのが、2013年に続々登場したパーキンソン病の新薬。その特徴、使い方、効き目はどのようなものなのでしょうか。わかりやすいようにくわしく解説。また、最近の主流となっている治療の考え方についても説明します。
  • 第4章 意外と知らない人が多いパーキンソン病の外科手術「DBS」
    梅村 淳准教授:以外に思われるかも知れませんが、パーキンソン病の治療において外科手術が主流だった時代がありました。薬での治療に限界がある人などには、選択肢として脳深部刺激療法(DBS)があります。その手術についてくわしく説明します。
  • 第5章 最新の話題!水素水と遺伝子治療・iPS治療の可能性
    服部信孝教授:近年の一番の話題といえば、万能細胞「iPS」を使った治療の可能性でしょう。現在、パーキンソン病における遺伝子治療とiPS治療は、どの段階にあるのでしょうか。また、「パーキンソン病に効果がある」と話題の水素水についても解説します。
  • 第6章 リハビリテーションの重要性と家庭でできる簡単ケア
    羽鳥浩三准教授:パーキンソン病にとって治療と同じくらい重要なのが、「リハビリテーション」です。その開始時期は、早ければ早いほどよいといわれています。この章では、自宅でできる簡単な動作と行う時のコツ、そして「心のリハビリ」についても説明します。
  • 第7章 短い時間でも、満足できる診察を受けるコツ
    波田野琢准教授:大きい病院は患者さんが多いため、どうしても一人の診察時間は短くなりがち。それは仕方のない部分もあります。短い時間であっても効率よく、満足できる受診のコツがあります。言いたいことをうまく伝える「受診カード」付き。

図書紹介(3)

  • 書名 :パーキンソン病とともに楽しく生きる
  • 著者 :水野美邦 著
  • 出版社:中外医学社 2013.12 (3000円+税)

この本は、順天堂大学名誉教授の水野美邦先生が、平成20年に横須賀でパーキンソン病患者にした講演をもとにまとめられたもので、全国パーキンソン病友の会を通して、全国の支部にご寄贈いただきました。

まえがきの中で、「最初に大事なことはパーキンソン病とはどのような病気であるか正確な知識を得ることです。」と書かれています。知らないで怖がっていてもどうしようもありません。患者も家族もパーキンソン病のことをしっかり勉強しましょう。また「パーキンソン病に伴う日常生活の不自由の一部は加齢によります。病状の全てが病気によるとは考えないようにしましょう。 (略) パーキンソン病で死ぬことはありません。パーキンソン病に関連して重篤な状態になる可能性としては、誤嚥による肺炎、湯船の中で滑って水の下にもぐってしまい立ち上がれない場合、家の中で転んで骨折をして寝込む場合があります。ですからこれらのことを起こさないように気をつけましょう」と書かれています。天寿をまっとうするために、気をつけながら、パーキンソン病について勉強していきましょう。

次のような内容になっています。

第1章 パーキンソン病とは~水野美邦先生の診察室・講演会でよく受ける質問・症状・重症度、予後/ 第2章 パーキンソン病の原因(略)/ 第3章 パーキンソン病の治療に使用される薬物とその副作用~Lドーパ製剤・ドパミンアゴニスト・MOAB阻害剤・COMT阻害剤・ゾニサミド・アデノシン受容体遮断薬・アマンタジン・抗コリン薬・ドブス/ 第4章 将来の治療~細胞治療・遺伝子治療・神経細胞保護療法・免疫療法・RNA干渉/ 第5章 治療の実際第6章 治療の経過中に起きるかもしれない諸問題~Lドーパ製剤の効果が減弱・すくみ足、小走り歩行・ふらつき・転倒・姿勢異常、腰折れ、ピサ症候群、首下がり・骨折・肺炎・イレウス・悪性症候群/ 第7章 パーキンソン病の非運動症状~食欲低下、吐き気、嘔吐・便秘・頻尿・性機能障害・動機、胸苦しさ・むくみ・低血圧・起立性低血圧・食餌性低血圧・発汗異常・流涎・アレルギー症状・痛み、しびれ・嗅覚低下・不眠・ムズムズ脚症候群・レム睡眠行動異常・日中過度の眠気、突然の眠り込み・不安状態・うつ状態・アパシー・アネドニア・疲労・幻覚・妄想・興奮、乱暴行為・衝動調節障害とドパミン調節障害・性衝動の亢進・賭博壁の亢進・病的な買い物・大食い・薬の濫用・プンディング・認知症・レビー小体型認知症/ 第8章 検査所見~脳MRI・心筋シンチグラフィー・脳の超音波検査・脳血流検査/ 第9章 日常生活はどのように送ったらよいでしょうか?(略)/ 第10章 パーキンソン病についてもっと知りたい方へ~病気の歴史・患者の数は・発症機序/ 第11章 家族性パーキンソン病(遺伝性パーキンソン病)(略)/ 第12章 二次性パーキンソニズム~多系統委縮症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症/ 第13章 症候性パーキソニズム(略)

図書紹介(4)事務局

※※※3回まで、お医者さんの書かれた治療中心の図書を紹介して来ました。今回は患者さんの書かれた図書をご紹介したいと思います。掲載した図書への問い合わせ頂いていますが、友の会で一括購入して、ご希望の方に斡旋するという方法は考えていません。図書館で借りてお読みいただき、手元においておきたい本でしたら、本屋さんに注文してください。本によっては、アマゾンなどで、古本が定価よりもはるかに安く買えるものがあります。身近でパソコンをされる方にご相談されると良いと思います。※※※

  • 書名 :ぴんくのハート~パーキンソン病と明るく向き合う実録体験記~
  • 著者 :ごとう 和 著
  • 出版社:秋田書店 2009.5.30 (800円+税)

この本は、「ごとう和」「秋田書店」の名前で、漫画だろうと思われた方もおられるかも知れません。漫画です。とても良く書かれています。出て来る主人公の女性は、著者に良く似た感じです。少女マンガで活躍の著者のごとうさんは、「おかしいなー」と感じてから4年ほどたった2005年12月6日、パーキンソン病と診断されました。53歳の時でした。この漫画は、2007年「フォアミセス」7月号掲載の「ぴんくのハート」と、2009年「エレガンスイブ」3月~5月号に掲載された「パーキンな日々」からなっています。

漫画は、N病院神経内科。“パーキンソン病のように思われます” “ヤッパリ・・・?!”“どーするのアタシ・・・?! 70歳になっても漫画を描いていたいのに”で始まり、「誰でも経験できるものではない難病体験を、漫画で描かないのはもったいない」と思い描き上げたのがこの「ぴんくのハート」でした。あとがきを少しご紹介します。
“「病気」・・・まさか、自分が?! と、ショックで最初は落ち込み、少し引きこもりがちになります。でも、泣くだけ泣き、落ち込むだけ落ち込んだら・・・歩こう! 踊ろう! 笑おう! 自分の体です。なにかの病気がついても、しっかり手入れして、感謝して、いつまでも仲良く、元気に歩いて行きましょう。”とあります。漫画の中にも、はっとする言葉が沢山ありますが、“病気が肉体に現れた時・・・それは、克服するものではなくて、経験すべきものとしてつきあってください”という言葉があり共感します。
漫画が苦手な世代の方が多いかも知れませんが、漫画ならわかる若い人(孫世代)に読んでもらい、ご自分の病気・パーキンソン病を知ってもらうという利用の方法もあると思います。機会がありましたら手にとってみてください。

図書紹介(5)事務局

  • 書名 :私もパーキンソン病患者です
  • 著者 :柳 博雄 著
  • 出版社:三五館 2013.12 (3000円+税)

この図書の紹介が会報に載るのは、81号(4月)である。原稿を書いている今は、12月である。ちょうど1年前に発行された図書である。出版されてすぐに読みたかった、読むべきであった、と思わされた1冊である。一気に読み終えた。

著者は、1941年中国山西省に生まれ、'67年、朝日新聞東京本社に入社。長野支局を皮切りに、大阪社会部・整理部などを経て、’90年編集委員となり、特集版編集長、朝日新聞大阪本社朝日総合情報戦略推進事務局長などを歴任。著書に日本ジャーナリスト会議賞・大賞を受賞した「女たちの太平洋戦争」他がある名筆記者である。2001年退職。

‘97年から大学非常勤講師として新聞学の講義をしており、2009年5月、講師控室で動けなくなり、大学の向かいの病院に搬送され、パーキンソン病の診断を受ける。再入院した6月にはヤール重症度Ⅳで、車椅子生活となっていた。振戦などの前駆症状がほとんどなく、動けなくなって診察を受けたらパーキンソン病で重症と言うのは珍しいケースなのかも知れない。

この本は、闘病記ではない。老いの過程で進行性の難病に罹患し、一人の患者として医療を受ける立場になり、また、社会福祉の受給者になり、自分らしく、尊厳を持って生きることを求めた、その過程での学びに関するノンフィクションである。人生の途上で、心身に障害を負った人、原因不明で治療法もない難病に罹患した人には必読の書と言えるかも知れない。前書きから一部を抜き出して紹介します。

「かねがね、私は健常者だと自負し、障害者や難病とは無縁だと考えていました。その私が、ある日、突然動けなくなりました。【略】ところが、発症後5年を経過するうちに、予期しない気付きがたくさんありました。難病患者の心理、医療、介護の問題、保険制度、障害者の先人らが命がけで展開した権利獲得運動・・・。これまで、自分が見ようとしなかった世界の広さ、深さに驚いてしまいました。この病にならなければ見えなかったことが、実態の体験と書物による導きとによって、新たな光景となって来ました。さらに世界の輪郭が、濃く強く浮かび上がってきたように感じました。」とあり、これをこそ書かなければと、1日に1,2時間、300日。指先が安定せず、キーボードでの入力ができないため、手書きで書きなぐってまとめられたた貴重な記録である。

図書紹介(6)事務局

  • 書名 :スーパー図解 パーキンソン病~すこやかな改善を目指す最新知識~(トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ)
  • 著者 :村田美穂 監修
  • 出版社:法研 2014.8.18 【1400円+税】

【監修】村田美穂先生
1992年筑波大学大学院医学研究科修了
筑波大学付属病院、東京都老人医療センター、東京大学医学部付属病院を経て、2004年より国立精神・神経センター武蔵病院(現:国立精神・神経医療研究センター病院)。現在、神経内科診療部長。特命副院長、パーキンソン病・運動障害疾患センター長。専門は、パーキンソン病の治療。

<スーパー図解>とあるように、右ページに文章があり、その内容が左ページに図解で説明されていて、大変に読みやすく理解しやすい。患者・家族がパーキンソン病を勉強するために役立つ図書である。

<内容>
  • 第1章 パーキンソン病とはどんな病気か(正しく理解しよう/特徴/起こる仕組み/どんな人がなりやすいのか?/症候群とは?)
  • 第2章 パーキンソン病の診断から治療へ(診断は神経内科で/診断/治療はオーダーメード/知っておきたい治療に伴う症状)
  • 第3章 パーキンソン病治療の実際(最新「ガイドライン」と治療/主な治療薬/副作用/服薬の注意/外科手術療法)
  • 第4章 パーキンソン病と上手につき合う~リハビリとサポート情報(規則的な生活リズムが生活のコツ/リハビリテーションの実際/家族もパーキンソン病を理解しよう/社会的支援を利用しよう/パーキンソン病当事者コミュニティの意義)
<図解 例>

図書紹介(7)事務局

マイケル・J・フォックス

1961年、カナダに生まれ、15歳の頃からカナダのテレビに出演、18歳でアメリカに渡り、4年後、テレビドラマシリーズ「ファミリータイズ」で有名になる。映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのマーティー・マクフライ役でハリウッドスターの仲間入りを果たした。
30歳の若さでパーキンソン病を発症。1990年頃から発症の兆候が見られ、病を隠しながらも、自らプロデュースに参加し主演もつとめたテレビドラマシリーズ『スピン・シティ』などに出演を続けるが、1998年に病気を公表、2000年には『スピン・シティ』を降板し俳優活動から退いた。
その後パーキンソン病の研究助成活動を始め「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」を設立。また自らの生い立ちやパーキンソン病との格闘を綴った自伝『ラッキー・マン』(Lucky Man) を発売し、国際的にベストセラーとなった。

  • 書名 ラッキーマン
  • 著者 マイケル・J・フォックス 入江真佐子 訳
  • 出版社:ソフトバンク パブリッシング
  • 出版年:2005年2月 (781円+税)

<1990年11月 目が覚めるとぼくの左手にメッセージがあった。それはぼくを震え上がらせた。そのメッセージはファックスでも電報でもなかった。心を乱すニュースはそういう形で伝えられたのではない。実際、僕の左手にはなにもなかった。震えそのものがメッセージだったのだ。>

<“神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分に変えられることは変える勇気と、そしてそのちがいがわかるだけの知恵をお与えください。”>

  • 書名 いつも上を向いて―超楽観主義者の冒険―
  • 著者 マイケル・J・フィックス 入江真佐子 訳
  • 出版社:ソフトバンク クリエイティブ(株)
  • 出版年:2010年4月 (1,600円+税)

<この病気で失ったものも多かったが、大いなる価値のあるものを与えられもした。ときには、この病気にならなければ通らなかった新しい方向を指し示してもらったこともあった。僕の歩みは一歩前進二歩後退のようなものかもしれない。だが、パーキンソン病とともに過ごしてきて、大事なことは、いつも上を向いて、その一歩を数えることだということを、ぼくは、学んだ。>

図書紹介(8)事務局

  • 書名 :パーキンソン病のことがよくわかる本
  • 著者 :柏原健一 監修
  • 出版社:講談社 2015年2月 【1300円+税】

監修者

柏原(かしはら)健一(けんいち):岡山旭東病院神経内科部長
岡山大学医学部卒。年間延べ1万人の診察を行う臨床のスペシャリスト。日本パーキンソン病・運動障害疾患学会(NDSJ)会員。共著に「みんなで学ぶパーキンソン病=患者さんと歩む診療を目指して」(南江堂)などがある。

  • 第1障 運動障害だけじゃないパーキンソン病
    四つの特徴的な運動症状/不快な症状も病気の一部/うつや幻覚、認知障害も/気づく前から変化は生じている/似ているが違う、違うようで同じ病気がある
  • 第2章 なぜ起きる?これからどうなる?
    脳の黒質が減少、ドパミン不足に陥る/レビー小体が現れる/体質と環境、年齢が重なる/上手につきあえば命にはかかわらない/運動機能の程度で重症度が決まる/服薬とリハビリ、環境整備でよりよく暮らす/制度の活用で負担は減らせる
  • 第3章 薬や手術で上手にコントロール
    薬物療法は、症状のコントロールが治療の基本/ドパミン補給療法で体の動きをよく/主役はレボドバ配合薬とドパミンアゴニスト/さまざまな目的で薬を追加/薬の効きすぎ、効果切れで現れる症状に注意/薬の種類や量、回数を調整して快適に/手術で減薬、症状の改善が可能な人も
  • 第4章 運動と前向きな気持ちが改善の鍵
    運動で体と脳の力をUP/前向きな気持ちが生活の質を上げる/リハビリ体操、意識しながら取り組む/すくみ足、突進にあわてず対処/あせらず、ゆっくり集中して転倒を防ぐ/住環境を整えれば動きやすくなる
  • 第5章 困った症状も工夫次第で乗り切れる
    元気がない/幻覚・妄想を訴える/認知機能が低下/常識はずれのことをする/眠れない、起きていられない/痛い、しびれる、長引く苦痛はドパミン不足が一因/立ちくらみがひどい/トイレが近すぎる/頑固な便秘/汗、よだれ、むくみ、冷え/飲み込めない、やせてきた

著者の柏原先生は、質問コーナーで第1回の図書紹介に取り上げた「みんなで学ぶパーキンソン病~患者さんとともに歩む診療をめざして」の共著者のお一人です。「パーキンソン病」と診断された時、最初に出会うと良い本、というのが読んでの感想です。とても読みやすく、わかりやすく、気持を沈みこませることなく、パーキンソン病と向き合おう、と思わせてくれる本です。
真四角に近い特徴的な造本で、<ひと目でわかるイラスト図解>で、本文98p。定価、1300円と購入するにもお手頃です。“パーキンソン病と言われたんだが”と困り、悩んでいる方がおられましたら、ぜひお読みください。

図書紹介(9)事務局

  • 書名 :パーキンソン病の薬の本2015―パーキンソン病治療薬を一挙掲載(写真・薬価つき)
  • 監修 :武田 篤((独)国立病院機構 仙台西多賀病院長)
  • 発行所:アルタ出版 2015年3月 1000円+税

パーキンソン病を診断され、投薬を受けた時、「どれだけの薬があり、処方された薬は、どんな働きをするのだろう」と誰しもが思う。他の難病に比べて、パーキンソン病の薬は多いが、それらの薬について説明されている本はほとんどといってよいほどない。今年初めてこの本に出合った。

本書は、「パーキンソン病の治療薬全体を理解してもらう」ことを目的に企画された本で、「本書の特徴は三つ」だと書かれている。

  • 1.治療薬を写真と薬価付きで紹介
  • 2.マンガで薬剤の働きをわかりやすく説明
  • 3.薬剤の分類ごとに効果や注意点をコンパクトに説明

目次をみると

  • パーキンソン病の基礎知識
  • パーキンソン病マンガ~夢の競演 パーキンソン病薬者(役者)オールスターズ
  • 治療薬一覧の見方
パーキンソン病治療薬一覧
レボドバ:
イーシードパール・ネオドバゾール・マドパー・エオドパストン・メネシット・カルコーパ・ドパコール・パーキストン・レプリントン・スタレボ・ドパゾール・ドパストン
COMT阻害薬:
コムタン
MOA-B阻害薬:
エフピー・セレギリン塩酸塩
ドパミンアゴニスト:
カバサール・カベルゴリン・パーロデル・アップノールB・コーパデル・デパロ・パドパリン・メーレーン・ブロモクリプチン・ペルマックス・ベセラール・ペルゴリン・ペルゴリド・メシル酸ペルゴリド・ニュープロパッチ・アポカイン・ドミン・レキップ・ビシフロール・ミラペックス・プラミペキソール塩酸塩
アマンタジン:
シンメトレル・アテネジン・アマンタジン塩酸塩
ゾニサミド:
トレリーフ
ノルアドレナリン補充薬:
ドプス・ドロキシドバ
アデノシンA2A受容体拮抗薬:
ノウリアスト
抗コリン薬:
アーテン・セドリーナ・トリフェジノン・トリヘキシフェニジル塩酸塩・トリヘキシン・パーキネス・パキソナール・塩酸トリヘキシフェニジル・ペントナ・トリモール・パーキン・アキネトン・タスモリン・アキリデン・ビペリデン塩酸塩

※ 手元に置いて薬の作戦を立てるのにお使いいただくのも良いかも知れません。

図書紹介(10)事務局

  • 書名 :パーキンソン病に効くCDブック
  • 著者 :林 明人
  • 出版社:マキノ出版
  • 出版年:2006年8月 (1,500円+税)

図書を読んで、その内容がすうーっと胸の内に入って来る。文字通り腑に落ちるためには、読み手の位置が重要である。この本は、妻がパーキンソン病と告げられ、息子に伝えた後、息子が本屋に寄ったらあったからと言って持って来てくれた。パーキンソン病に関係する最初の本との出会いであった。これから先、何が起きるのか、皆目わからず、ウェブで調べたり、日々の生活に注意深くなって、ただ変化を見ようとしていた時期である。
<歩行障害の大きな原因の一つが、脳内リズムの障害です。聴くだけで脳に歩行リズムが刻まれ、歩行障害やうつが改善する!> 「脳内リズム」「歩行リズム」「聴くだけで改善」これらの言葉に引っかかっていたのかも知れない。あれから、丸7年、すくみ足で動けない、歩き始めると突進する。出ていた声も小さかったり、出なかったり。薬のオン・オフもはっきりしてきた。3年前から名古屋大学病院の鵜飼久美子先生の音楽療法に通っている。今なら理解できる。パーキンソン病からくる様々な微妙なずれを見、聞き、生活介護のなかで体験した今なら分かる。

左は、上記の本の2012年6月の改訂版です。2011年に日本神経学会から「パーキンソン病治療ガイドライン2011」が2002年の初版の改訂版として発行されました。このガイドラインは、エビデンス(医学的根根拠)に基づく治療法を解説したもので、ガイドラインについては、渡辺宏久先生が「EBMとオーダーメード治療」で毎号原稿を寄せてくださっています。紹介しているこの図書の著者・林先生もガイドライン作成委員として活動されました。また、服部優子先生が大会長で昨年11月に開催された<神経難病における音楽療法を考える会>でも講演されました。ガイドライン2011で「音楽療法」は、<内科的かつ外科的な治療に加えて行うことで、症状のさらなる改善が期待できる治療法>として認められたことを契機にパーキンソン病患者への音楽療法が広がりをみせ、この流れの中で、改定され発行されました。

第1章 「ガイドライン」で認められた音楽療法/第2章 なぜ音楽が歩行障害を改善するか?/第3章 CDの効果的な使い方/ 第4章 実証された音楽療法の効果/第5章 パーキンソン病をもっとよく知ろう/第6章 パーキンソン病の治療CD:第1部 聴くだけパート(「四季」/「水上の音楽」/「フルートとハープのための協奏曲」/「くるみ割り人形より」/「スペイン奇想曲」/「軍隊行進曲」他 第2部 歩け歩けパート(「旅愁」/「春の小川」/「ふるさと」/「ゆりかごの唄」/「青い目の人形」/「キラキラ星変奏曲」) 第3部 聴くだけパート(「ボレロ」)

図書紹介(11)事務局

  • 書名 :よみがえる人生~パーキンソン病新薬誕生物語
  • 著者 :アラステア・ダウ
  • 監修 :荒木淑郎
  • 訳者 :難波陽光
  • 出版社:講談社
  • 出版年:2000年5月 (1,600円+税)

この本を手に入れたのは、ノーベル賞の発表があり、二人の日本人受賞が報じられていた頃である。大村智さんについては何も知らなかった。<寄生虫感染症の治療法を確立>し、大勢の命を救ったことが評価されたと知った。パーキンソン病の原因発見、治療薬の創薬など、パーキンソン病に関わる人は、ノーベル賞を受賞しているのだろうか。そんな疑問から、アマゾンで探していたらこの本が見つかった。本を読んで、パーキンソン病に関わった研究者の中にノーベル賞の受賞者はいなかった。理由は、研究に携わった人が多すぎたことらしい。
<「デプレニル」の名は、パーキンソン病関係の専門家の間では、米国食品医薬品局認可の前からよく知られていた。しかしながら、これほど劇的で、波乱にみちた経緯の中で陽の目を見たことは、ほとんど知られていない。>(推薦者:東大名誉教授・豊倉康夫)
<本書では、そのデプレニルの合成当時の研究模様から、患者のためによりよい薬を求め続ける、医師や開発担当者の執念にも似た、苦闘のドラマが展開される。>(監修者:荒木淑郎)
<「デプレニル」という薬の名前を耳にしたのは、1987年夏のことだった。この薬を使って、親しい友人がパーキンソン病による衰弱を克服した時である。>(はじめに)

“「デプレニル」、なんだこれは?! こんなの聞いたことがない!!”

第1章 絶望の淵から/第2章 有効と有害は表裏一体/第3章 生みの親のプロフィール/第4章 パーキンソン病の世界/第5章 レボドバの軌跡/第6章 新薬誕生の舞台裏/第7章 世に出たデプレニル/第8章 大西洋を渡るのは至難の業/第9章 証明された実力/第10章 史上最大の臨床実験/第11章 お役所の壁/第12章 若さの源は何か 目次に目を通し、どの章にも引き付けられる。謎解きをすべく読み進める。
ハンガリーの薬理学者ヨゼフ・クノールがデプレニルを世の中に出した<生みの親>である。21世紀を迎えた時、20世紀は戦争の時代だったが、21世紀は平和と平等の時代になって欲しいと誰もが望んだ筈だが、第一コーナーを曲がって、とても困難だと思わされるこの頃である。クノールは、1944年春、14歳の時にアウシュビッツに送られた。37キロの体重になりながら奇跡的にかろうじて生き延びた。そのおかげで今この薬がある
<海外でデプレニルとして知られるこの薬は、現在(2000年1月)世界75か国で認可され(実は、75番目が日本である)、世界中でパーキンソン病治療に使われている。日本では大手の製薬メーカーではなく、藤本製薬という中小メーカーが、日本での開発権をハンガリーのキノイン社より得て、1998年12月より発売している(日本の商品名はエフピー錠)。>(訳者あとがき)
パーキンソン病薬が誕生した裏側のドラマをぜひ読んでみてください。

図書紹介(12)事務局

  • 書名 :インフォームドコンセントのための図説シリーズ パーキンソン病
  • 編者 :武田 篤
  • 出版社:医薬ジャーナル
  • 出版年:2013年8月(4,800円+税)【改訂版が出ています】

17名の先生が執筆をされています。愛知県に住む私たちにはなじみのお名前、渡辺宏久(名古屋大学脳とこころの研究センター医学系研究科・神経内科特任教授)先生、祖父江元(名古屋大学医学部付属病院神経内科科長)先生、平山正昭(名古屋大学大学院医学系研究科医療技術学准教授)先生、日ごろお世話になっている先生が3人も書かれています。また、昨年の総会でご講演いただいた斎木英資(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院神経内科副部長)先生も執筆者のお一人です。

「インフォームドコンセント」という言葉はよく使われ、お聞きになった方も多いでしょう。人権運動の高まりを反映して、患者の権利を尊重することが重視されるようになって使われ始めた言葉です。<検査や治療行為について十分情報を提供し、説明した上で同意を得る>ことの意味で使われています。

「インフォームドコンセントのための図説シリーズ」が意味するように、このシリーズは、医療者が患者に説明をする場合を念頭において編集されています。つまり、この本を読むということは、主治医の説明を聞くことに通じます。どの先生もお忙しく、診察の現場で十分に意思疎通をはかることには無理があります。先生の側も、説明を手短にしようと思えば、専門用語を多用することになり、患者・家族の理解を超えてしまうこともあるでしょう。パーキンソン病を理解するためには、私たちの体のなかでも最も複雑な脳の構造や機能について一定の知識を持つことが必要となりますが、診察室の説明だけではとても理解できません。まず、この本を、患者・家族が読んでみる。この本は、医師が患者・家族に分かりやすく説明するための道具として編集されたものですから、パーキンソン病を理解するために読む本としては最適だと思います。

内容:1.パーキンソン病とはどんな病気か? 2.パーキンソン病症候群とは何か?  3.診断をどうするか?どんな検査をするか? 4.各治療薬の特徴と使い方 5.早期治療をどうするか? 6.進行期治療をどうするか? 7・リハビリテーションおよびその他の非薬物療法 8.外科治療(DBS治療) 9.精神症状の治療(うつ、睡眠、覚醒障害、認知機能低下、幻覚、妄想) 10.自立神経症状の治療 11.社会資源の活用   12.在宅療養の注意点
名大病院を受診されている方、鵜飼先生の音楽療法に参加されておられる方は、ナディック(患者情報センター広場)にこの本はありますのでご覧になってください。

図書紹介(13)事務局

  • 書名 :JPAの仲間(日本難病・疾病団体協議会会報 JPA結成10周年記念号2016/3)
  • 書名 :戦後70年 患者運動、障害者運動のあゆみとこれから
  • 発行 :日本難病・疾病団体協議会(JPA)

全国パーキンソン病友の会に入会されると、自動的に、「全国パーキンソン病友の会」と「愛知県難病団体連合会(愛難連)」に入会することになります。ご説明していますが、なかなか関心が持てないかも知れません。「全国パーキンソン病友の会(JPDA)」・「愛難連」は、日本難病・疾病団体協議会(JPA)に加盟して活動しています。昨年1月に施行された難病新法は、この患者団体の活動が大きく働いた成果でした。

戦後70年、障害者運動は、大量の障害者を生み出した戦争の後で、いち早く取り組まれますが、患者運動が本格的になるのは、高度経済成長の陰に取り残された部分に目が行くようになり、それに医療の進歩が交わってからでした。

  • 1972年 全国難病団体連絡協議会(全難連)結成
  • 1974年 「地域難病連全国交流会」設置
  • 1975年 全国患者団体連絡協議会(全患連)結成
  • 1978年 「ゆたかな医療と福祉をめざす全国患者・家族団体連絡会」結成(全難連、交流会、全患連が中心に全国の患者団体が結集)
  • 1986年 「日本患者・家族団体協議会(JPC)」結成(全難連を除く31団体10万人)
  • 2005年 「日本難病・疾病団体協議会(JPA)」結成(JPCと全難連の合併)

この、JPA結成の翌年、震撼とする事件が起きました。2006年8月の「平成18年度特定疾患対策懇談会」で患者数が5万人を超えたことを理由に、「潰瘍性大腸炎」と「パーキンソン病」の医療費公費補助の対象者を絞り込む方針が提案されました。JPAは、JPDA・IBDネットワークと共に、<これは、2疾患だけの問題ではない>として全組織を挙げての反対運動を展開しました。一方、JPA非加盟で医療費助成の追加指定を要望する団体の中には、2疾患の見直しを行わないと今後新規の追加が行われないのではないか、といった懸念があり、患者団体同士の対立を生みかねない難しい展開がありましたが、それを乗り越えて医療費助成が継続されました。先輩たちに感謝です。

患者会活動には、①自分の病気を正しく科学的に把握する ②病気に負けないようにお互いに励まし合う ③よりよい療養環境をつくるために社会に働きかける「三つの役割」があります。特に、③にかかわる患者運動の過去の歩みを学び、これからの歩みに生かして行きたいものです。

図書紹介(14)事務局

  • 書名 :パーキンソン病・レビー小体型認知症がわかるQAブック
  • 著者 :小阪憲司・織茂智之
  • 出版社:メディカ出版 2011年 【1400円+税】

原因のレビー小体は全身に
二つの病気は同類!?
脳だけの病気じゃない!?
心臓をみればわかる“?

医療講演会や、会報、本で、パーキンソン病は、中脳の「黒質」にあるドパミン神経の細胞が変性して減少するためにドパミンが減って起きる病気である。ドパミンは神経伝達物質の一つで、不足すると運動の調節がうまくいかなくなってしまう。と勉強してきました。
平山先生のお話などに、「レビー小体」「レビー小体型認知症」、「α・シヌクレイン」という言葉もたびたび出てきます。パーキンソン病とどういう関係にあるのでしょうか。
ジェームス・パーキンソン氏が病気を発見し発表したのが1817年およそ200年前のこと。若年発症の認知症は「アルツハイマー病」と呼ばれていますが、ドイツの精神医学者アロイス・アルツハイマー氏が最初に患者の症例を発表したのが1906年の110年前。ドイツ生まれの神経学者フレデリック・レビー氏がパーキンソン病患者の脳に<タンパク質の塊>(レビー小体)が蓄積しているのを見つけたのが1929年、90年ほど前。この本の著者の小阪憲司氏が、大脳皮質にレビー小体が見られ、認知障害・パーキンソン症状を示す症例を発表したのが1976年の40年前。小阪氏は1980年「レビー小体病」を提唱されています。
レビー小体が蓄積した神経細胞は変性して抜け落ち、働きを失っていく。このレビー小体の主成分がα・シヌクレイン。α・シヌクレインが原因となって起きる疾患を<α・シヌクレオパシー>と呼び、「レビー小体病」と「多系統萎縮症」が含まれ、「レビー小体病」は、「パーキンソン病」と「レビー小体型認知症」に分けられています。
「パーキンソン病」と「レビー小体型認知症」は、同じなのか、違うのか。違うとしたら何が違うのか。その疑問に答えてくれています。<レビー小体の分布が疾患を決める>
パーキンソン病=レビー小体が脳幹に現れる
レビー小体型認知症=主に大脳皮質に広く現れる
Q1~Q23に答える形式で書かれています。大変わかりやすく、レビー小体認知症について学ぶのに良い本だと思います。お薦めします。

図書紹介(15)事務局

  • 書名 :レナードの朝
  • 著者 :オリバー・サックス 石館康平・石館宇夫 訳
  • 出版社:晶文社 1997年 【2900円+税】

平山先生の医療講演会で、「レナードの朝」の話は何度も聴いた。ようやく、遅ればせながら、本とDVDを手に入れた。
著者のオリバー・サックスは、1933年、ロンドン生まれ、オックスフォード大学で学んだ後、神経科学・神経生理学を研究。知能障害、脳炎後遺症の臨床医として活躍。<20世紀の最も優れたクリニカル・ライター>として知られる。
ペスト(黒死病)、コレラの大流行という話は歴史で学んだ記憶があるが、<嗜眠性脳炎(眠り病)>が1920年代に大流行したことは知るよしもなかった。
この本の著者・脳神経科医サックスはニューヨーク郊外のマウント・カーメル病院に赴任し、そこで出会った20名の嗜眠性脳炎の後遺症患者の治療に当たった。この本は、食欲もなく、人間らしい表情もない半昏睡状態の人々が、L・ドーパにより数十年の眠りから「目覚める」奇跡と、恐ろしい「副作用」の闘いの記録であり、著者が患者一人一人と正面から向き合った感動の記録である。
著者が20名の中の一人、レナード・L(46歳)に出会ったのは、1966年の春の事だった。レナードは、全くしゃべれず、右手をかすかに動かせるだけで、自発的な運動は見られないが、わずかに動く右手で文字盤を使って自分の気持を表現することができた。彼はハーバード大学に進む前に症状が強まりつつあったが、乗り越えて入学し卒業もできた。学位論文も仕上がっていた27歳の時、病状は最悪となり、3年間自宅で過ごし、30歳で完全に動けなくなってマウント・カーメル病院に入院した。’69年3月初旬、L・ドーパの投与が始まり、量を少しずつ増やし一日5gとなり、2週間後に突然に「転換」が訪れ、<ノートをつけたり、タイプを打ったり、椅子から立ち上がったり、大きな声で話をしたり>できるようになり、3月末には<自由に動ける>ようになった。25歳を過ぎてからできなかったことが出来るようになったのである。そして恐ろしい「副作用」が迫っていた。レナードの章の最後は、「私はいま、このままでいようと思います。L・ドーパはどこかにしまっておいてくださいよ」で終わっている。

  • 監督 :ペニー・マーシャル
  • 制作 :ウォルター・F・パークス・ローレンス・ラスカー
  • 原作 :オリバー・サックス
  • 脚色 :スティーブン・サイリアン

L・ドーパは奇跡の薬というほどに効くのであろうか?そんな思いすら持っていたが、本を読み、映画を観て、L・ドーパの軌跡を見せつけられた。レナード役のロバート・デニーロ、セイヤー先生役のロビン・ウィリアムズ、二人の渾身の演技も見事で見ものである。一度は観ておきたい映画。DVD鑑賞会ができるといいのですが。

図書紹介(16)事務局

  • 書名 :パーキンソン病を知りたいあなた
  • 著者 :高橋 良輔
  • 出版社:NHK出版 2016年 【1,200円+税】

著者の高橋先生は、「あとがき」で、<私は研究者として日々、パーキンソン病の研究が進み、治療法が発展していく姿を目の当たりにしています。一方で、パーキンソン病に対して間違ったイメージを持ったり、いたずらにこわがっている方がまだまだ多いのではないかということを、診療にあたりながら感じていました。>と書かれ、その思いから、“あなたが、あなたの大切な人が、パーキンソン病になったらまず読んでほしい”本としてまとめられました。

  • Part1 早期発見が何より大切!~パーキンソン病ってどんな病気?
    Q&A 遺伝する?/なりやすい人はいるの?/予防法は?/寝たきりになってしまう?/命にかかわらないって本当?/進行は止められる?/どの科を受診?/進行したらどうしたらいい?
  • PART2 パーキンソン病でも長く元気に!~薬を中心とした治療法を徹底解説
    Q&A 長期間服用して大丈夫?/薬の種類が多いが減らせる?/服用し忘れた時はどうしたら?/飲み合わせはある?/貼り薬は誰でも使える?/眠くなってしまうが、解決法は?/ギャンブル好きですが、薬の影響を受ける?/サプリメントは使ってよい?/症状を改善する食べ物はある?/服用方法にコツは?/低たんぱく食がよいって本当?/手術療法でずっと脳を刺激して大丈夫?
  • Part3 自分でできること周りができること~リハビリテーションと周囲のサポート
    Q&A サークル活動は続けられる?/車の運転は続けられる?/杖を用意した方がよい?/寒いとつらい、対処法は?/文字が書きにくい、どうすれば?/体を動かすのはもともと好きじゃない。どう取り組めばよい?/住まいではどんな注意が必要?/周囲の人はどう手を貸せばよい?
  • Part4 パーキンソン病治療の最先端とこれから
    iPS細胞への期待/再生医療の道のり/iPS細胞を使う方法/遺伝子治療とは/パーキンソン病の原因に分子レベルで迫る/多方向からのアプローチ/診察室と研究室のはざまで/最後に患者さんに <患者さんに伝えたいのは、希望をもって治療に取り組んでほしいということです。現在でもさまざまな治療を組み合わせ、工夫を重ねれば、患者さんは病気とつきあいながらも充実した生活を送ることができます・・・。医師と良い関係を作り、一緒に問題を解決していきましょう>

各Partにおけるテーマの解説、関連するQ&A そして55の「伝えたいこと」が簡潔にまとめられています。患者も家族も正しい理解を深めるために勉強が大切です。お勧めの図書の一冊です。

図書紹介(17)事務局

  • 書名 :漫画家、パーキンソン病になる。
  • 著者 :島津郷子
  • 出版社:ぶんか社 2016年 【1000円+税】

パーキンソン病の患者さんの本を紹介します。題名からわかるように、「漫画」であり、パーキンソン病を持つことになった「漫画家」のエッセイ・マンガです。
以前(80号)にやはり漫画と漫画家を紹介しました。愛知県支部長の木村順一さんも若き日、漫画家を志望しておられ、定年後、切り絵、油絵を描かれ、支部会報に4コマ漫画を投稿していただいています。漫画を描くという狭き門の中で、更にパーキンソン病を持つというのは、偶然にしては率が高い。そんな思いから取り上げました。
作者の島津郷子さんは、三重県度会郡出身。1973年少女コミック誌「週刊マーガレット」でデビュー。代表作は1991年から11年にわたり連載された「ナース・ステーション」(全20巻)。「新ナース・ステーション」は発症して中断とカバーに書かれています。
あとがきによれば

  • 2001年、体調に異変、「単に疲れからくるものでしょう」 うつ病の診断
    <納得できず、繰り返すドクターショッピング。五里霧中、暗中模索、二転三転、東奔西走、葛藤、その類の言葉をすべて使っても足りないくらい振り回され、奔走し、悩みました。そうして、なんとか?真の病名にたどり着いたのですが、それまで要した月日7年。長い時間が経っていました。>
  • 2005年 パーキンソン・ノイローゼと診断され入院
  • 2007年 パーキンソン病と診断
  • 2008年 DBS手術
  • 2009年 執筆を再開し、「ナース・ステーション」の特別編と共に闘病手記を発表。
  • 2013年 本エッセイ(「漫画家パーキンソン病になる」)の連載開催

読んだ感想は、「う~ん、難しいパーキンソン病!」という印象でした。最終的には<心筋シンチ検査>と<すべての薬を絶って、その後L・ドーパを服用しての効果>で「パーキンソン病」と診断が決定されました。2001年から2007年という時期にあっても、もっと短い期間で病名診断が可能ではなかったのだろうか。できなかったということは、やはり「診断が難しいパーキンソン病」だったのだろうか・・・
「ナース・ステーション」という漫画を読んでいないのですが、少女コミックの明るい雰囲気の絵で暗さはありません。その分、難しい大変な病気とのギャップが浮き出ているかも知れません。<一番描きたかったのは、周りで支えてくれたたくさんの人たちへの「感謝!」でしょうか。どん底の気分の時、生きるのがつらくてどうしようもなかった時、その時その都度そばにいてくれたり、さまざまな形の出会いの中で支えてくれた人たち一人一人に「ありがとう」をいいたいです。>

図書紹介(18)事務局

  • 書名 :患者さんとご家族のためのパーキンソン病のすべて
    ~症状と薬治療の解説から生活環境での訓練まで~
  • 著者 :宮崎 雄二
  • 出版社:日本図書刊行会 2015年 【2000円+税】

2ヶ月に1回の会報では、なかなか図書の紹介もしきれない。この本もついつい遅れてしまった。秋に出版され、年末には手に入れていたが、1年半が経ってしまった。

今年は、イギリスのジェームズ・パーキンソンが1817年に「振戦麻痺」として病気を発表してから200年にあたる。70年後の1888年、フランスのシャルコーの提唱で「パーキンソン病」と呼ばれるようになった。その原因と考えられる<黒質の神経細胞の脱落>が方報告されたのが1919年、およそ100年前である。そこから40年、<黒質線条体ドパミンの著明な低下>が報告されたのは1950年代後半であり、1960年代に入るとレボドバによるパーキンソン病の本格的な治療が始まった。

ギリシャ時代に観察されていると言われるパーキンソン病は、当然わが国にも大勢の患者がいるわけであり、それらのパーキンソン病の治療の歴史はどうなっているのだろうか。1960年代以前のことを想像すると戦慄を覚える。

著者の宮崎先生は、脳外科医をめざし、新設された札幌医科大学脳神経外科に入局されたが、<その頃には、神経内科はなく、パーキンソン病について知る人は居ませんでした。1961年、研修中の著者に対し、パーキンソン病に対する手術的治療(定位的脳深部手術)を研修させる国家的プロジェクトによってハーバード大学マサチューセッツ総合病院の脳神経外科と神経内科(当時はニュロロジー)から招待がありました。1961年から(略)勤務し、パーキンソン病の患者さんに接したのであります。ボストンにおける勤務を終了して帰国した時の日本では少数の内科医がパーキンソン病に関心を持っておられるに過ぎなく、札幌医科大学病院においてパーキンソン病の手術治療に従事しました。ところが1967年になりレボドパの臨床治療の機会が与えられ、レボドパが無動症と寡動症に画期的効果があることが判明し、28例の治療成績の報告を日本において初めて行いました。> こうした経緯から、1964年に北海道パーキンソン病友の会の結成に協力され、1988年には「パーキンソン病のすべて」と題した小冊子が全国パーキンソン病友の会北海道支部から発行されています。

わが国のパーキンソン病治療の草分けである先生は、「はじめに」で、<発病前に近い状態を長く続けていただくためには、患者さんと主治医との間に共生の気持ちを持っていただかなければなりません。主治医には患者さんの日常生活が少しでも良くなり、健康時に近くなるように熱意を持っていただかねばなりません。患者さんは主治医に任せっぱなしではなく、自己の病気を理解する努力を行い、リハビリテーションを含めた日常生活行動を円滑化するための自己訓練を行わなければいけません。また、ご家族の方々は患者さんの病気は一家のすべての方々の病気として受けとめ、病気の内容と治療について知識を持ち、患者さんの日々の生活の質が高まるように援助することが必要です」と書かれており、随所に著者のイラストが入り、薬と訓練についてまとめられています。

図書紹介(19)事務局

今回は2冊ご紹介しようと思います。39歳と50歳での発病で病気の時期も、図書発行の時期も違いますが、1947(昭和22)年と1948(昭和23)年生まれの団塊の世代の男性です。お二人は発病が少し早かったですが、これからこの世代の患者さんが増えてくることが予想されます。

  • 書名 :僕の神経細胞―パーキンソン病歴二十年の元毎日新聞記者の手記―
  • 著者 :杉浦 啓太
  • 発行所:三和書籍 2009年 【1600+税】

著者は1948年、東京生まれ。京都大学経済学部卒業後、毎日新聞大阪本社の記者となる。毎日新聞社を途中退職後、株式会社日本医療企画で病院向け総合情報誌の編集長、保険・医療・福祉の総合年鑑「WIBA」編纂室長、全国病院情報編纂室長を経て、フリーとして活動している。
「はじめに」にで、<僕は現在60歳。39歳でパーキンソン病と判定された。この間、患者になって分かったことは、パーキンソン病は健常者が考えるほど単純ではなく、むしろ意外なほど多様性に富むということだ。症状は個人差があって一口で言いにくい。パーキンソン病と分かった当初、僕はその事実を隠そうとした。それは自分に対する直接的評価につながり、これから行おうとしていることの邪魔になりはせぬかと考えたからだ。/しかし、そんな考えに呪縛されていたのでは仕方のないことを知った。まず、自らの体験を語ることから始めなければならない。」と書いている。この本は、福祉新聞「シルバー新報」に平成18年1月から連載を始めたものに加筆、書き下ろしたものを編集したもので、パーキンソン病にかかわる様々な事柄がコラム的に取り上げられていて読みやすい。介護する立場にある方々にもお勧めしたい本である。

  • 書名 :団塊オヤジのパーキンソン病体験記―パーキンソン病は怖くない―
  • 著者 :外山 貞文
  • 発行所:星雲社 2016年 【1000円+税】

1947年、団塊世代に生まれ、モーレツ社員と言われたほどに粉骨砕身、日本の高度成長期を支えた企業戦士の一人であった著者は、「まえがき」で、<サラリーマンレースの第三コーナーまでは順調な人生であった。ところが転職を境に、働き盛り50歳の時にパーキンソン病を発症し、54歳でリタイヤした。従って団塊オヤジには定年祝いも還暦祝いもなく、パーキンソン病と闘いながら、尻切れトンボの尾を継ぎ接ぎして暮らす凡人です。/既に満69歳になった。古希も間近であり、私が死んだ後に何が残るか?>と書き、自問してパーキンソン病との闘病体験を描いたノンフィクションである。きっと支部にも同じような立場の方が大勢おられるでしょう。

図書紹介(20)事務局

  • 書名 :パーキンソン病はこうすれば変わる!
    ~日常生活の工夫とパーキンソンダンスで生活機能を改善~
    「実践パーキンソンダンス」 DVD付
  • 編者 :高畑進一・宮口英樹 編集
    ダンス製作 橋本弘子
  • 発行所:三輪書店 2012年 【2800円+税】

編集の高畑進一氏は、大阪府立大学リハビリテーション学部作業療法学科に所属される作業療法士の方と思われる。高畑氏始め16名が執筆されているが、作業療法士、理学療法士の方たちが多い。平山正昭先生は、<一にリハビリ、二に薬>という言い回しを最近される。パーキンソン病患者にとってリハビリの重要性を説かれる言葉であろう。
なごや福祉用具プラザの「介護者教室」で、友の会のメンバーが毎年数名ずつ講師としてお話するようになって、今年は5年、5回目であった。今年のお一人は関口悦司さんにお願いした。関口さんは、この本の付録のDVDを用いたご自身のリハビリの話をしてくださった。
<まず本で調べる><本を手元に置く>は、はぐれたとは言え、図書館屋のはしくれの性か、いつの間にか沢山の関係図書が集まった。それを紹介しているのだが、どれが済んで、どれが済んでいないのか定かでない。関口さんのお蔭で紹介できることになった。

  • 第1部 パーキンソン病の生活機能障害
    パーキンソン病の日常生活動作の工夫/パーキンソン病の生活機能障害とその特徴
  • 第2部 パーキンソン病の理解のために
    疫学と治療~パーキンソン病の動向と最新療法~/パーキンソン病の臨床像とリハビリテーションの意義/パーキンソン病の心身機能評価/パーキンソン病と運動イメージ~その応用~
  • 第3部 実践 パーキンソンダンス
    パーキンソンダンスの要素と構成/パーキンソンダンスの効果/パーキンソンダンスDVD「Let’s enjoy PD Dance!」 その内容とポイント
    1.ほぐしてダンス/2.タッピング ダンス/3.ヒール・トゥ ダンス/4.アーム・フィンガー ダンス/5.手ぬぐいダンス/6.バランス ダンス/7.歩いてダンス/8.ゆらゆらダンス

<どんなリハビリがあってどこで指導くれるのか>が関心事と思われます。機会を見つけて、リハビリDVDの紹介もしたいと思っていますが、リハビリテーションとして確立しているのは、<声を大きく、動作を大きく>というLSVT、アメリカで考案された、特にパーキンソン病患者さんの「言語障害」や「運動障害」に効果が期待されるリハビリ訓練法です。所定の試験を通過したリハビリスタッフ(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)のみが、施行を認められています。これとは別に、太極拳、タンゴ、ダンスなどが有効だと言われています。この本の付録のダンスはなかなかハードです。

図書紹介(21)事務局

  • 書名 :図解 よくわかるパーキンソン病の最新治療とリハビリのすべて
  • 監修 :作田 学(日本赤十字医療センター神経内科 東京脳神経センター)
  • 発行所:日東書院 2016 【1500円+税】

表紙カバーには、<パーキンソン病の理解を深める正しい知識から、症状別対処法、寝たきりにならないためのリハビリテーション、療養生活を支える支援制度や団体など必修情報が満載>とある。
目次を見てみると、

  • 序章  パーキンソン病セルフチェックリスト
  • 第1章 パーキンソン病の正しい知識~パーキンソン病とはどんな病気なのか?  1~13 etc
  • 第2章 パーキンソン病の検査と診断~パーキンソン病の受診科は、神経内科 ⒕~23 etc
  • 第3章 パーキンソン病の治療は薬物治療が基本~一生つきあう薬への理解を深めましょう 24~43 etc
  • 第4章 リハビリテーション~パーキンソン病患者にとってのリハビリテーションの重要性 44~61 etc
  • 第5章 症状別対処法~さまざまな症状別対処方法は主治医と相談することから  62~70etc
  • 第6章 日常の生活方法~病気とのつきあい方は前向きに、活動的に過ごすこと 71~83 etc
  • 第7章 療養生活を支える支援制度や団体~2015年からスタートした難病医療費助成制度 84~90 etc

90項目にわたり、解説されています。1ページから最後まで読むということでなく、今、最も関心のあることを見つけて、そのペジを開いたら良いと思います。
リハビリについて、良く話が出ますが、こんな風に解説されています。
リハビリテーションの心構え~リハビリテーションは、下記の点に注意して、自分にあった運動を行ってください。
○薬の効果がある時に運動します。 ○やりすぎは逆効果です。 ○強い痛みのある運動は厳禁です。 ○できる運動をできる範囲で行います。 ○音楽に合わせて動いて見ましょう。 ○少しずつ運動量を増やしていきましょう。 ○ウォーキングは毎日、決めた時間だけ、行うようにしましょう。 ○運動やウォーキングの仲間を作るとなお楽しくなります。

図書紹介(22)事務局

  • 書名 :よくわかる最新医学 パーキンソン病
  • 編者 :主婦の友社
  • 監修 :山之内 博(大森赤十字病院 前院長)
  • 発行所:主婦の友社 2017年8月 【1400円+税】
  • ※パーキンソン病を正しく理解するために
  • ※最新の薬物療法で症状をコントロールする
  • ※日常を支える効果の高いリハビリとは  (表紙カバーより)

【目次から】

  • 第1章 パーキンソン病とはどんな病気? 症状は?
  • 第2章 パーキンソン病の検査と診断
  • 第3章 パーキンソン病治療の基本は薬物療法
  • 第4章 症状が進んだ時の対処法
  • 第5章 リハビリテーションは日常の機能を支えるための療法
  • 第6章 患者と家族のための日常生活のケア
  • 第7章 療養生活を支える福祉制度や情報

7章からなっていて、章の中にはコラムもある。本文は、3段組で、見出しは赤文字で印刷されていて見やすい編集になっている。
最近はリハビリの重要性が指導されるようになり、関心も強まっているので、第5章の内容をもう少し紹介しよう。

第5章 リハビリテーションは日常の機能を支えるための療法

  • パーキンソン病にとってリハビリはなぜ必要なのか?
    リハビリをするのとしないのとでは、症状の改善や生活動作に違いが出ることがわかってきました。運動療法は、できれば病気の初期から、少しずつ毎日の習慣にしていくことがたいせつです。
  • 前傾姿勢やすり足歩行のための、立って行う運動療法
  • いすから立ち・座るリハビリ、腰かけて行うリハビリ
  • 寝ながら行う筋力強化やバランス訓練
  • 嚥下障害のためのリハビリやケア
  • 表情づくりのリハビリ 発声や呼吸改善のリハビリ
  • リハビリは、目や耳からの間隔を刺激し、リズムをつけて
  • コラム グループで行うリハビリの効果
  • 【症例】 Aさんのパーキンソン病は、思いがけない形で始まった

こういう内容になっていて、節ごとに解説がついています。
また、巻末には、<インターネットを使ってパーキンソン病のことを知りたいとき>があり、「日本神経学会」「難病情報センター」「財団法人 保健福祉広報協会」「全国パーキンソン病友の会」「独立行政法人国立病院機構」「厚生労働省」が紹介されています。

図書紹介(23)事務局

パーキンソン病の関係図書を紹介し始めてもう23回になります。20冊以上の本を紹介してきました。パーキンソン病は、他の指定難病に比較して、圧倒的に情報が多い病気と言えると思います。筆者ははぐれ図書館屋の性と、事務局を担当している立場もあって、関係図書を探して集めていますが、なかなかそうはいかないかも知れません。出会った本に知りたいことが書かれていれば良いのですが、本のどこに書かれているのか探すのも困難です。もっと分かりやすく、これを知りたいと思ったら、<Q&A>ですぐ探せる本はないだろうかと思い見つけたのが、今回の2冊です。2冊とも少し古い本です。もう一度、最新の改訂版がでるといいと思い、願っています。

  • 書名 :改訂新版 順天堂大学脳神経内科水野義邦教授が答える
    パーキンソン病治療と生活Q&A~患者・家族への実践アドバイス~
  • 編者 :伊坂 廣子
  • 発行所:保健同人社 2005年4月 【1800円+税】

水野先生には、一昨年の総会でご講演をお願いいたしました。その折も質問に丁寧にお答えいただきました。ご記憶の方も大勢おられると思います。この本は、水野先生が「全国パーキンソン病の友の会」や保健所主催の勉強会で患者・家族に話されたこと、質問への答えを録音して、それをもとにパーキンソン病患者である伊坂廣子さんが編集されました。第1章 不安な治療開始期を支えるために 第2章 治療法を理解してトラブルを乗り越えるために 第3章 積極的な長期治療のために 第4章 治療法の進展に期待して の章立てで、患者が知りたことを広く拾い上げ質疑応答にまとめてあります。

  • 書名 :改訂3版 患者と家族のためのパーキンソン病Q&A
  • 著者 :山本 光利
  • 発行所:ライフ・サイエンス 2007年2月(4刷) 【1800円+税】

山本先生には、昨年の総会でご講演していただきました。ご記憶の方も多いと思います。1991年に最初の本が出て、その後、改訂版、改訂2版、改訂3版と版を重ねています。
患者と家族のために書かれた初めてのパーキンソン病の解説書と「序」に書かれています。1.パーキンソン病とは 2.パーキンソン病の治療 3.パーキンソン病と上手に付き合う の枠組みの中に100の質問を置き、1~3ページの解説が書かれています。
<この本では最低限知っておきたいパーキンソン病の知識を質疑応答(Q&A)の形でまとめてみました。「主治医と相談してください」という言葉がしばしば出てきますが、これは「すべて、主治医に任せてしまう」ということでなくはなく、「医師やその他の医療スタッフと相談しながら治療していく」ということです。この姿勢が医療者、患者、そして家族の方々にとって大切であると考えます。>(はじめに)。病気を正しく理解しいたずらに不安に陥らず、うまく病気と折り合いをつけて暮らして行きたいものです。

図書紹介(24)事務局

かねて<「ガイドライン」がまもなく出ます。>と聞いていました。どういう本なのか手にしてみました。2011年版からは、「治療ガイドライン」から「診療ガイドライン」に書名変更されています。これは、「治療」だけでなく、「診断基準・病因・遺伝子・画像所見」など広域な解説を加えたことにあるそうです。利用者は、神経内科専門医を中心にパーキンソン病治療に携わる医師全般に、薬剤師、看護師、理学療法士、患者までを想定しているということですが、患者には難しい本です。自分の治療が、ガイドラインから大きく乖離していないか、適正な治療であるかどうか確認することはできるかも知れません。しかし、私たちにとってもっと重要なことは、主治医に、<自分の症状の状態、送りたい生活>をきちんと説明し、治療に向き合うことではないでしょうか。

  • 書名 :パーキンソン病診療ガイドライン 2018
  • 監修 :日本神経学会
  • 編集 :「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会
  • 発行所:医学書院 2018年5月 【5200円+税】

ガイドライン2011年版については、渡辺宏久先生が支部会報で分かりやすく解説してくださっています。60回分を1冊にまとめて4月に発行しました。気になることを、目次から確認して本文を読めば理解でき、とても便利です。新しいガイドラインについても、これから、会報で解説いただけるものと思います。渡辺先生は、2018年版のガイドラインの編集委員でいらっしゃいます。先生の解説を会報で読める愛知県支部の会員は、とても恵まれていると思います。しっかり勉強していきましょう。

  • 書名 :一般社団法人全国パーキンソン病
    友の会会報 愛知県版100号
    創立40周年記念
    EBMとオーダーメード治療
  • 著者 :渡辺 宏久
  • 発行所:一般社団法人全国パーキンソン病
    友の会愛知県支部 2018年4月
    【1000円】

もう1冊ご紹介します。愛知県支部では、3月25日40周年を記念してホームページを開設しました。<リンク>から下記図書に接続できます。渡辺先生はこちらの調査研究にも携わっておられます。Q&Aで編集されていてとても使いやすいと思います。ぜひアクセスしてみてください。

  • 書名 :パーキンソン病の療養の手引き
    ~よく知ろう、パーキンソン病とその治療~
  • 編集・発行:神経変性疾患領域における調査研究班
    2016年12月

図書紹介(25)

  • 書名 :「排便力」が身につく本
    ~重症の便秘も治る!専門医が教える生活プログラム~
  • 著者 :松生 恒夫(松生クリニック院長 「便秘外来」開設)
  • 発行所:マキノ出版(ビタミン文庫) 2008年4月 【1300円+税】

「パーキンソン病診療ガイドライン2018」では、<最もエビデンスレベルが高かった危険因子は便秘と身体活動性であった。ただし便秘はパーキンソン病の前駆症状である可能性があり>と記述されていて、医療講演会でかねがね平山正昭先生はじめ講師の先生からのお話しを思い出す。3年目に入った<おしゃべり広場>で、毎回話題になるテーマの一つが<便秘>である。パーキンソン病の患者さんはほとんどの人が便秘に悩んでおられる。 筆者は幸い<便秘>ではない。したがって便秘に関する本を読んだこともなく、探してみることもなかった。おしゃべり広場の毎回の便秘の話題に、便秘ってどういうことなのか勉強してみようと思って探したら、「排便力が身につく」という表題にひかれてのこの本を手にした。 <本来は、便秘の明確な定義はなく、2~3日に一度排便があり、特に自覚症状がなければ便秘とはいわないというのが学会内における共通認識>(はじめに)と書かれている。 毎日、必ずなければいけないということではないのである。しかし、妻だけでなくパーキンソン病の患者さんは、そんな風には考えられないのではないか、りちぎに、毎日1回、少なくとも2日に1回は・・・みたいに考えているのではないだろうか。 こうも書かれている。<便秘は重症になればなるほど、簡単に治るものではありません。しかし、排便力が身につくことで得られる健康な腸と体は、なににも代えがたいものです。ぜひ、この本を手に取った人は、便秘の治療に対しての理解を深め、じっくりと治療に取り組んでいただきたい。>

  • 第1章 「排便力」が身につけば全身が健康になる!
    衰えた腸が排便力を鈍らせる、理想の大腸とは
  • 第2章 増加する重症便秘と「下剤依存症」
    どんな重い便秘もささいなきっかけで始まる、小さな原因が積み重なって便秘が悪化、下剤が手放せない「下剤依存症」が増えている
  • 第3章 「排便力」を身につける生活習慣
    軽い便秘は確実に自分で治せる、自宅でできる1週間の便秘治療「腸内リセットプログラム」
  • 第4章 「下剤依存症」からの脱出と「下剤減量プログラム」
    下剤の悪循環を断ち切る、3つの薬剤の組み合わせで便意を復活させる
  • 補章  「便秘外来」について

図書紹介(26)

  • 書名 :脳は甦る
    ~音楽運動療法による甦生リハビリ~
  • 著者 :野田 燎/後藤幸生 共著
  • 発行所:大修館書店 2000年4月 【2200円+税】

「音楽療法」と言う言葉は、良く見聞きする。しかし、<運動>が中に挟まった「音楽運動療法」はこの本で初めて見たのかも知れない。見慣れ、聴きなれた<音楽療法>は、本来は<音楽運動療法>であるものが<運動>が省かれたものなのか。それともこれは、<音楽療法>と<運動療法>が結合したものなのか、と少し不思議な気がした。
パーキンソン病について、沢山のページが割かれていて、読んでみなくてはと手にした。
<脳や神経に障害を持つ多くの人々に活用していただくために、前半を音楽行動学の立場から野田(大阪芸術大学教授・サクソフォン奏者、作曲家)が、後半は甦生リハビリ学を医師の立場から後藤(福井医科大学名誉教授、愛知医科大学客員教授)が執筆しました。>(「まえがき」より)この本は、芸術家と医師の共著であった。

「音楽運動療法」については、<音楽運動療法の基本的な考え方は、「トランポリンの上下運動にあわせて、生の音楽演奏を加えることによって、抗重力姿勢を保持した患者の意識を覚醒し、集中力を促進するもので、その結果、障害部位の修復、もしくは残存部位を活性化して新たな神経回路を生み出し、認知と運動を可能にする。」というものです。つまり、「ある事情により使用されなかったために退行した機能を、トランポリンの上下運動と音楽を使うことによって改善する」というものです。言葉を換えれば「音楽と運動とを組み合わせて、心と体に働きかける学習実践である」ともいえます。この療法で、さらに大事なことは、「環境の変化に対応しようとする脳の可塑性や代償性、学習性を活用し、それまで使うことができなかった身体の運動性感覚と認知性感覚を入力する」作業であることです。>(「第1章 音楽運動療法とは (1)基本的な原理」)より
以下、次のような章立てで「音楽運動療法」について書かれている。
 第2章 「生命」と「音」に秘められたパワー
 第3章 音楽運動療法の実際
パーキンソン病患者の音楽運動療法/ドパミンの働きと神経伝達物質/パーキンソン病患者への接し方/パーキンソン病患者の音楽運動療法の治療原理/パーキンソン病患者の「歩行」に向けてのプログラム/パーキンソン病患者へのトランポリンの上下運動と他の運動/パーキンソン病患者の在宅療法(トランポリンの代用としてのフィジオボールの意義/フィジオボールを用いた音楽運動療法の行い方)/意識障害者の音楽運動療法
 第4章 意識と脳のメカニズム 「こころ」と「身体」を分析する
 第5章 「音楽運動療法」の科学的検証

図書紹介(27)【三浦綾子さんの著書2冊】 事務局

  • 書名 :難病日記
  • 著者 :三浦 綾子 著
  • 発行所:角川書店(角川文庫) 2000年6月【495円+税】
  • 書名 :この病をも賜ものとして~生かされてある日々2~
  • 著者 :三浦 綾子 著
  • 発行所:日本基督教団出版局 1994年10月【1400円+税】

 医療講演会で<パーキンソン病に罹患した著名人>の紹介がある。その中の一人に三浦綾子さんがいる。三浦さんのパーキンソン病の記録は初めて手にした。ここに紹介した2冊の他に、「生かされてある日々1」「病めるときも」などがあるようだ。
パーキンソン病以外にもいくつかの持病を持つ身で、著作を続けるというのは、想像する以上に過酷なことに違いない。それを可能にしたのは何だろう、と思う。標題にある<この病をも賜もの>として受け入れられる強い信仰があるからである。そして、もう一つは、夫であり、歌人・小説家の三浦光世氏の存在である。
 ○月 ○日
<朝、三浦、私の足の爪を鋏で切ってくれる。パーキンソン病の私は、手がふるえて自分の爪もたやすく切れなくなった。世話をかけることなり。面倒がらずに進んで爪まで切ってくれる三浦に、心から感謝>
 ○月 ○日
<珍しく昨夜2回、三浦の介助なしにトイレに立つ。一人で布団から出ることが出来、自分で立ち上がることが出来、トイレで用を足せるということは、何という大きな喜びであろう。ぐっすり眠っている三浦を、夜中に起こさずにすんだということも只ありがたし。>
 ○月 ○日
昨夜は2回、三浦に抱き起こされてトイレに。 心臓も不調、発作による速脈、一日に6回も生ず。この発作、毎回短時間ながら不気味。

日記には、パーキンソン病がもたらす不自由と、光世氏への感謝が書かれている。介護者の視点から、どのように介護を受けていたか難病日記を読んでみて、光世氏の存在の大きさを思うとともに、とてもかなわないな、自分にはできないなと思いつつ読んだ。