会長 黒岩 芳彦
この暑さはいつまで続くのでしょうか。この原稿を書いているのは、9月16日ですが、日差しは一か月前の8月16日のままです。気候の大きなズレは、私たちの体調に大きな影響を与えていて、「体が動きにくい」「薬が効きにくい」という声を聞きます。皆様、無理をなさらずお過ごしください。
私には4歳と1歳半になる孫がいます。4年前の自分はパーキンソン病の症状が大きく進み、「何も出来なくなった」「辛い辛い」と毎日下を向いて生きていました。そんな時に出会った孫は、一生懸命に小さなカラダを動かしていました。そして、まだ言葉も分からない孫に向かって私は「君が成人式を迎える時、髪の毛は薄くなって皺だらけになっているかもしれないけれど、君に恥じる事のないカッコいいお爺さんでいたい」と約束していました。孫の成人式まであと16年、私は79歳です。これは大変な約束をしたものですが、可愛い孫との約束を破るわけにはいけません。
そこで、短い目標を立てていく事にしました。初めに立てた目標が「新幹線に一人で乗って東京まで行く」という事でした。週2回のリハビリで理学療法士と相談しながら関節の可動域や姿勢の改善、体重の移動等、課題を一つずつあげてリハビリに組み入れていきました。そして、今年の2月に一人で新幹線に乗って東京まで行って来ました。
孫の存在は大きいですね。病状が進行していくと、何か行動しようとすると辛さや苦しさも大きくなっていきます。そして、いつでも頑張れるわけでもありません。病気に向き合うことが辛いときがあります。そんな時は、無理はしません。まだ孫の成人式まで16年の長距離走です。